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【映画】生きる事は奇跡の連発である「オデッセイ」感想

科学を武器に乗り越える、これは主人公マーク・ワトニーが火星で発言した言葉である。

遠く離れた火星は我々人類にとって未知の領域だ。そこで突然の嵐によって1人火星に取り残されてしまったワトニー。嵐に吹き飛ばされ、怪我をし、仲間との通信手段はなく、食料も限られている。そんな苦境に陥っても生きることを諦めなかった彼と彼の仲間たちの姿が「1人の命の大切さ」を改めて教えてくれた。そう、生きる事は奇跡の連発なのだ、と。

 

あらすじ

火星での有人探査中に嵐に巻き込まれた宇宙飛行士のマーク・ワトニー(マット・デイモン)。乗組員はワトニーが死亡したと思い、火星を去るが、彼は生きていた。空気も水も通信手段もなく、わずかな食料しかない危機的状況で、ワトニーは生き延びようとする。一方、NASAは世界中から科学者を結集し救出を企て、仲間たちもまた大胆な救出ミッションを敢行しようとしていた。(「シネマトゥデイ」より) 

 

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所感

映画を観ていて思い出した事がある。無人島でのサバイバル生活を描いた映画「キャスト・アウェイ」(主演:トム・ハンクス)だ。こちらは飛行機事故により1人無人島に漂流した男の姿を描いたものである。

無人島には無害・有害、多種多様な生物が生息している。それらの存在は漂流者にとって「生物がいる安心」であると同時に「襲われる恐怖」でもある。キャスト・アウェイは生物に対する恐怖を巧く表現した作品であった。

 

これに対して「オデッセイ」の舞台は、地球ではなく火星である。そこは無人島以上に未知の領域で水も食物もない。同時に決定的な脅威となる生物もいないのだ。火星には生物がいない怖さがある。究極の孤独を巧く演出していた。

そして、この映画の優れているところは、決して不安を煽るだけのホラー映画に成り下がっていないところだ。寧ろ、火星に1人でいる事を謳歌するかのようなシーンすら有るのだ。ワトニーは苦境をポジティブに捉え「僕は火星に作物を耕した。これで火星は僕の植民地って訳さ」と言った感じのジョークを飛ばしてくるのだ。アメリカ人のポジティブな民族性を感じさせる場面である。

 

映画中は専門用語のオンパレードでよく分からないシーンもあったのだが、決して中だるみをする事はなかった。やはり主演マット・デイモンの演技が素晴らしいのだ。彼の変貌ぶりを見るだけでも、如何にこの映画に賭けていたかが窺い知れた。

彼の他に安心して「他者との共演が極端に少ないサバイバル映画」を任すことのできる俳優は少ないだろう。

 

ジャガイモ

簡単に言うと食料が尽きるのが先か、救援が来るのが先かの映画である。何も無いところから何かを生み出すことはできない、しかし何かがあれば必要なものを生み出すことができる。科学(人知)の力を感じさせる作品だった。

それを表しているのが映画のキーワードであるジャガイモだ。詳しくは述べないが科学の力とジャガイモがあれば火星でも生き延べる事ができるらしい。恐れ入った。いや、本当に。

 

まとめ

上映時間が2時間24分と長いがご心配なく。初めから最後まで一気に駆け抜けるので途中で飽きることは無い。

そして、この映画の終焉は貴方が想像している通りである。最後にだけ重点を置いた作品ではなく、それに至るまでに幾つものサプライズが用意されているのだ。

この映画は新社会人や社会人2、3年目の方に観て頂きたい。きっと自分のやりたい事と生きている事の喜びを感じ前向きになれるだろう。

 

じゃ。

 

byアホウドリ