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【映画】人類の存亡を賭けた戦いが今始まる「X-MEN:アポカリプス」感想

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満を持して夏の超大作「X-MEN:アポカリプス」が公開となった。X-MENシリーズの8作目、そして一応最終章として世に送り出された作品だ。

しかしながら、日本映画界の扱いはとても酷い。例えば、私は関西でも屈指の大きな映画館に行ったにも関わらず、iMAXでの上映はなかった。また、4DX3D上映も1日1回という少なさ。

隣のジャングル・ブックは通常の2D上映に加えiMAX(3D)でも上映されていた。更に4DX3D上映も1日2回であった。

X-MEN、どれだけ期待されていないんだ。

 

しかも、観客は公開2日目(18時上映開始)にしてたった10人。

 

どうかしてるぜ!

 

これもあのダサイ予告のおかげかもしれない。あんな予告では全く本作の魅力が伝わらない。X-MENファンの私だって映画館で観ようか迷ったぐらいだ。

この映画は多くのマイナス要素が奇跡的に結びついて過小評価となってしまっている。ここで文字を大きくして書こう、

 

この映画は面白かったと。

 

ダサい予告はこちらから


映画「X-MEN:アポカリプス」予告F

 

あらすじ

1983年。文明が誕生する前から神として君臨していた、ミュータントの始祖でもあるアポカリプス(オスカー・アイザック)が、突如として長い眠りから覚醒する。数千年ぶりに目にした人間とその文明が、誤った方向に進んでしまったと考えた彼は新しい秩序が必要だと判断。マグニートー(マイケル・ファスベンダー)など、4人のミュータントを率いる。彼の存在と考えを知ったプロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)は、ミスティーク(ジェニファー・ローレンス)らと共にその行動の阻止に挑むが……。(「シネマトゥデイ」より)

 

所感

上映終了後、私は1人スタンディングオベーションを敢行した。他の観客からは「なにアイツ」みたいな視線を感じたが素直に「ブライアン・シンガー監督、ありがとう」と敬意を表したかったのだ。彼なくして今のX-MENの人気はあり得ないからだ。ぐっじょぶ。

 

アポカリプス(最古のミュータント)

最大の敵・アポカリプスは意外と地味だった。むしろ彼を守る「黙示録の四騎士(フォー・ホースメン)」の方がかっこ良いのは反則だろう。この四騎士はマグニートをはじめ、ストーム、サイロック、エンジェルといった個性的なメンバーで構成されている。ほぼ即席で結成されたチームなので連携なんてものは皆無だった。

ちなみにアポカリプスを演じたのは「オスカー・アイザック」だ。あまり際立った印象を受けなかったのが残念だったが、日本語吹き替えは松平健が担当するということで寧ろこちらの方が期待できるかもしれない。当方は字幕で鑑賞。がーん。

 

黙示録の四騎士(フォー・ホースメン)

マグニートは「磁力を操り、あらゆる金属を意のままにする」能力を持つ最強クラスのミュータントだ。今回もトラブルメーカーとしての本領は発揮された。

ストームは「自然を操る」能力を持っている。本作では如何にして強大なパワーを手に入れたのか、そして彼女の特徴的な髪の色の所以が明らかにされる。

この2人は分かるのだが、何故アポカリプスは四騎士としてサイロックとエンジェルを招いたのだろう。それなりに見せ場はあるのだが、正直少しインパクトが弱かった。

サイロックはテレパシー能力と剣術に長けている女戦士。X-MENシリーズにはテレパシーを使う能力者は何人かいる。それらが強すぎるためサイロックは微妙な強さになってしまった。

また、エンジェルは生体金属製の翼を使い空を自由に飛び羽を飛ばしたりして攻撃をする。こりゃ地味だ。

まぁ、当の本人(アポカリプス)が気に入ってスカウトしたのだから口出しはしないが。どーなんだろう、この人選。

 

仲間のミュータント

この映画、序盤はいまいち盛り上がりに欠けるのだが中盤にクイック・シルバーがエグゼビア・スクールを訪れたあたりから一気に面白くなってくる。

クイック・シルバーが能力(超高速移動)でスクールのミュータント達を1人で救助するシーンはこの作品一番の見所だった。

超高速移動と聞くと「素早く動ける」だけの能力の様に思うだろう。しかし、これが想像を絶する速さで、クイック・シルバーからすると周りがスローモーションに見えるのだ。その時間のズレがとてもユニークに表現されている。

しかも、その救出シーンの挿入歌にはマリリン・マンソンの「Sweet Dreams」のカバーが使われていた。マンソンのファンである私が聞いても明らかに原曲よりクールにアレンジされていたのだ。このシーンだけでも映画館で観て良かったと思った。

 

「Sweet Dreams」カバー

www.youtube.com

 

「Sweet Dreams」原曲

www.youtube.com

 

そして、忘れてはいけないのがウルヴァリンの存在だ。今作では直接X-MENとしての参加はなかったのだが、十分な見せ場が用意されていた。やはり、強い彼の姿を見るとX-MENファンとしては嬉しくなる。このシリーズになくてはならない存在だ。

 

その他のミュータントもそれぞれの役割を全うすべく奮闘する。意外なヤツがかなり活躍するので是非観て欲しい。

 

ストーリー(時系列)

ストーリーは複雑難解だ。いや、ストーリーというよりは時系列が分かり辛い。

これはマーベルの悪い癖なのだが、昨日の敵が簡単に今日の味方になってしまう。

つまり、信念の薄い者が至る所でチームに参加・脱退を繰り返しているので一部時系列に矛盾のようなものが発生してしまっている。今に始まった問題ではないのだが、やはり本作も混乱を招く構成であった。

 

まとめ 

少し酷評じみた書き方をしてしまったが、今年の夏はこの映画で決まりだ。但し、最低限ミュータントに対する知識や相対関係は知っておく方が映画を楽しめるだろう。このあたりに不安がある人は公式ホームページでチェックをしてから映画館にGOだ。じゃ。

 

PS.本作ではプロフェッサーのハゲた理由も解明されている、お見逃しなく。もう1つ。エンドロール後にも映像があるので慌てて席を立たないように。