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【医療】死の宣告を受けました 〜未破裂脳動脈瘤の発見〜

先日、長年付き合ってきた慢性副鼻腔炎(蓄膿症)と永遠に決別するべく改善手術を敢行したのだが、それ以降半年間に渡って頭痛が続いている状態であった。毎朝、激しい頭痛で会社に行くことさえ困難なときがあったり、それまで通院していた病院に原因不明と言われてしまった事があったりで、この度、某大学病院で受診する事に至ったのだ。このセカンドオピニオンが私の人生の大きな転機になるとは知る由もなかった。

 

死の宣告(発覚)

某大学病院(耳鼻咽喉科)の診察結果は、慢性副鼻腔炎の手術による問題は見受けられず、恐らく元々持っていた「偏頭痛」の悪化であろうとの事。私は慢性副鼻腔炎の症状を緩和するためにロキソニンを服用していたのだが、服用の期間が長期間に及び「乱用」気味になっていた事がどうやらいけなかったらしい。脳が過敏反応を起こしてしまう状態になっており、偏頭痛が酷くなっていたみたいだ。この偏頭痛の改善には時間が掛かるものの正しく薬を服用する事で以前の状態に戻ると説明を受け安心した。

しかし、頭痛が数ヶ月にも及んでいた為、念には念を入れ脳のMRIも撮っておく事になった。脳のMRIの撮影中はかなりの機械音があり正直しんどかった。脳ドックも広く一般的になってきたので、この辺りも改善して欲しいものだ。

 

MRI撮影後、耳鼻咽喉科の担当医より説明があった。

 

「慢性副鼻腔炎の手術による異常は見受けられませんでした」

 

ヨカッター。

 

「ただ、脳の血管にコブが見受けられます。詳しくは脳外科医から説明があります」との事。

 

ナ、ナンダッテ。

 

予想外の申告、そして脳外科という普段聞き慣れない診療科の名前が挙がったので妙な不安感を抱きつつも同科のドアを開けた。何故か脳外科医には難しいイメージがあるが意外とフランクな口ぶりで親しみやすい先生だった。しかし、病状の説明内容はショッキングなものだった。

 

「未破裂脳動脈瘤が発見されました」

 

そう、これが私には「死の宣告」に聞こえてしまったのだ。

 

未破裂脳動脈瘤って何?

脳の動脈のある部分がコブ状に膨らんだ状態。これを脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)といいます。「瘤」はコブのことです。

未破裂脳動脈瘤とは、脳動脈にできたコブが破裂しないままの状態であることをいいます。この脳動脈瘤が破裂すると、脳を包んでいる「くも膜」という膜の内側に出血を起こします。これがくも膜下出血です。いったん、くも膜下出血が起こると、約半数の方が生命にかかわります。また社会復帰できる方は、ざっと3人に1人です。助かった場合でも重い後遺症が残ることがあります。医療が進歩した現在でも、大変恐ろしい病気です。(「国立循環器病研究センター」ホームページより抜粋)

 

これが私の脳にあったのだ。この未破裂脳動脈瘤、自覚症状は無く、破裂しなければそれほど問題になるようなものでもないらしい。しかし、一度破裂してしまうと「くも膜下出血」を発症し、高い確率で命を落とすか障害が残るとの事。

 

マジかよ。

 

私はそういったリスクと今後一生付き合っていかなければならないのだ。

ちなみにくも膜下出血は「突然、頭をハンマーでブン殴られた」とも形容される恐ろしく痛い病気だ。こうして私は文字通り「脳に爆弾を抱えてしまった」訳である。

 

私の症状(現状)

今更ながら私のスペックを記載しておこう。

36歳男性、身長172センチ、体重57キロ、低血圧、喫煙はしない、妻子供あり。

 

私の未破裂脳動脈瘤の大きさは約2ミリ、形は普通であった。動脈瘤は大きくて形が歪なほど破裂のリスクが高まる。2ミリというのは一般的に見てかなり小さい。現在、発見できる動脈瘤の中では最小クラス。担当医の話によると動脈瘤の大きさが5,6ミリを越えれば手術も視野に入れる、との事。

しかしながら、脳の血管の手術なのだから他の臓器に比べてリクスが高い事は言うまでもない。実際、2ミリ程度ならば破裂のリスクより手術のリスクの方が高いらしい。その為、半年ないし1年に一度、MRIによる経過観察をして動脈瘤が大きくなっていないか、歪な形に変形していないかを確認していく事になった。

動脈瘤の破裂のリスクは生活習慣や健康状態によっても変わってくる。例えば、喫煙だ。喫煙者は非喫煙者に比べて2倍ぐらい破裂のリスクが高いらしい。当然、高血圧なんて以ての外である。破裂しかけのホースに勢い良く水を通せばどうなるか考えて欲しい。北斗の拳で例えるなら「ア、アベシッ!」な状態になるのだ。

 

インターネットで検索をかけてみると予想以上に多くの方がこの「未破裂脳動脈瘤」の不安を抱えながら生きている。これも医者から聞いた話だが現代人の脳をMRI撮影してみると100人に5人程度は脳動脈瘤が発見されるそうだ。そう考えると何も我々は特別ではない様に思えた。

でも、その20分の1が自分のところに来てしまうとショックだ。(本音)

 

宣告を受けて(改善)

ここまでは未破裂脳動脈瘤の発見を「死の宣告」と揶揄してきた訳だが、実はこの病気の発見で良かったこともある。それがこれだ。

 

  • 運動を積極的にするようになった
  • 偏食を改め野菜を食べるようになった
  • 家族との時間を大切にするようになった
  • スマホゲームを辞める事が出来た

 

これらは自分が健康な時には出来なかった事である。今回、脳動脈瘤が発見された事で自分の健康状態と生活習慣を真剣に見つめ直す事が出来たのだ。

高血圧、高コレステロール抑制のための運動や食事生活の見直しは他の病気の予防にもなるし、ストレスが溜まる(血圧が上がる)スマホゲームを辞める事で家族との時間も作る事が出来た。

しなければならなかった事、それが出来るようになったのだ。自分の心境の変化に驚いた。

 

最後に

今回、記事のタイトルを「死の宣告を受けました」にしたのだが、実は「健康に生きろと宣告されました」とした方がしっくりとくる。

宣告を受けた時には「余計なもの発見するなよ〜」とか「まだ、36歳なのに〜」とか「日常生活に不安が〜」と思い、担当医をチクショーと恨んだりもしたのだが、逆にズバッと宣告された事で、より健康に、より人生を楽しむ覚悟が出来たように思う。

人間30半ばを過ぎると昔の様に「ウェーイ」的なノリで生きてはいけない。

もちろん、健康な状態でそれに気がつけば良かったのだが健康は人を盲目にするのだ。さぁ、日課のウォーキングに出かけるとしよう。じゃ。

  

byアホウドリ

 

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