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【雑記】人間がコンピュータに敗北した瞬間

最近IT技術の進歩を感じた瞬間がある。それは、iPhone7の発売や自動運転技術の向上などの明るいニュースではなく、現役プロ棋士によるスマートフォン不正利用のニュースだった。不正の疑惑を持たれているのは三浦弘行九段。対局中、スマートフォンなどに搭載の将棋アプリを利用して不正(次の一手を算出)をした疑いが持たれている。将棋の世界でプロと呼ばれる棋士は200人程度、さらに最高段位の九段を所持している棋士は20人程度だそうだ。そんな狭き門をくぐり抜けてきたエリート棋士による不正問題。今回、三浦九段の不正行為は個人的な問題に留まらず、将棋界(人間)がコンピュータに敗北を認めてしまった瞬間といっても過言ではない。

近年、チェス、将棋、囲碁などの盤上ゲームはコンピュータが人間を凌駕している。チェスは20年も前にグランドマスター(最高位)がコンピュータに敗北。将棋は数年前にプロ棋士がコンピュータに敗北。実は2013年の電王戦(プロ棋士対コンピュータ)では、三浦九段が大将を務めていた。結果は敗北。これでコンピュータの計り知れない強さを肌身をもって感じてしまったのかも知れない。ただ、囲碁に関しては問題空間の大きさ(起こり得る棋譜のパターン)がその他の盤上ゲームに比べて大きく、まだ人間が優位だそうだ。しかし、近年はその差も埋まりつつあるらしい。この手のゲームは高速演算(アルゴリズム)を得意とするコンピュータが最も強さを発揮する分野といえる。

以前、プロ棋士の生活に密着したドキュメンタリドラマを見たことがある。そこには人間の頭脳という頭脳を最大限にフル活用した戦いが繰り広げられていた。将棋の持ち時間は8時間、その時間内にどれだけ先を読めるのかが勝負の鍵となる。実際は8時間の間であれば何をしても良いのだが(最近改正されたらしい)、これ程までに自分を追い込む職業も少ないのではないか。

こんな話を聞いた事がある。「兄達は頭が悪いから東大へ行った。自分は頭が良いから将棋指しになった」これは少し冗談めかして芹沢博文氏が米長邦夫氏に送った言葉だそうだが、こういった言葉が生まれるあたりが将棋の奥深さだと思う。

話をスマホ不正利用に戻そう。三浦九段自身がコンピュータに敗北を認めてしまうのは結構だが、それを「将棋界全体の敗北」にしないでほしい。きっと人間の逆転の一手はまだあるはずだから。じゃ。

 

PS.昔、パソコンの将棋ソフトを持っていたけれどコンピュータの次の一手がすごい時間が掛かっていた。ホント、IT技術の進歩は目を見張るものがある。

 

byアホウドリ