富士重工業の社名を「SUBARU」に変更することが同社の臨時取締役会にて決議されました。今後は6月28日開催予定の定時株主総会で承認を得て、来年度から社名が変更となります。
私は昔から富士重工業の車が大好きで、現在もスバル「レヴォーグ」に乗っています。運転がしやすく動力性能も必要十分、そして何より日本の道路事情を考慮したサイズが絶妙です。
今回の社名変更では、果たしてどの様な効果が期待できるのでしょうか。
社名とブランド名の関係(事例)
以前、或る女性がツイッターで「彼氏が日本電気って電気屋に就職するってさ、そこらへんの電気屋ってありえねー」みたいな事を呟いたことが話題となりました。
そうです、この呟きをした女性は日本電気が「そこら辺の電気屋」ではなく、かの有名な「NEC」の社名である事を知らなかったのです。その後、女性は彼氏が「そこら辺の電気屋」に就職すると勘違いをしたまま、別れてしまったそうです。超大手に内定をもらった彼氏を勘違いから別れてしまうなんて勿体ないですね。
でも、私はこの呟きをした女性が特別「おバカさん」とは思いません。私も自分の会社が日本電気と取引をしていたため「日本電気=NEC」である事を知っていただけですので、若い女性がその事を知らなくても無理はありません。
この話を聞いて、社名とブランド名の関係を皆に幅広く知ってもらう事は、企業にとって大切な事だと感じた事を覚えています。
社名変更の例
社名変更は非常にお金が掛かります。2008年には松下電器産業が「パナソニック」に社名を変更しました。このとき、パナソニックは全国にある販売店の看板の社名変更だけでも、200億円ぐらい掛かったそうです。
勿論、社名変更は看板の差し替えだけで終わりません、その他の諸費用等も含めると最終的には400億円ぐらいまで達したそうです。
しかし、パナソニックは「松下」「ナショナル」「パナソニック」といったブランドを統合することで、将来の企業価値が向上すると踏んで巨額を支払い社名を変更したのです。
ちなみに、株式市場では社名変更が出来る会社は「財務基盤が強固」な優良企業として考えられます。
しかし、社名変更そのものが収益や企業価値の向上に繋がる訳ではありません。実際、社名変更の後、業績が振るわず破産、上場廃止になった企業さえ沢山あるのです。
そう言った事例から社名変更は「リスクも伴う会社の改革」であると言えます。
個人的な感想
今回、富士重工業は社名変更と併せて全数消却を前提とした上限1500万株(480億円)の「自社株買い」も発表しています。これは社名変更による株主・市場の不安や懸念を払しょくする狙いがあります。なかなか出来ることでは有りません。
富士重工業は今回の社名変更の目的を「スバルブランドを磨く取り組みをさらに加速させ、スバルを自動車と航空宇宙事業における魅力あるグローバルブランドとして成長させることにある」と説明しており、私も大いに期待しています。
今後、社名が変わっても「良い車を作る会社」として末永く頑張って欲しいですね。では。
最後までお読み頂きありがとうございました。