或る阿呆鳥に呟く。

~ジュニアテニス、映画、雑記、何でもありの備忘録〜

【子育て】自分の子供がかつての自分だった件

私は人一倍楽しい人生を送ってきたと自負している。両親や友達、さらには会社の人間にも恵まれている。だからこそ、しなければならない努力を怠ってきてしまったのだ。

 

小さい頃、私の発言には凄まじい力があったそうだ。祖父に一言「じいちゃんちに行きたい」と電話で言えばどんなに深夜であろうと車をぶっ飛ばして迎えに来てくれた。また、祖母に一言「〇〇というスーパーファミコンのソフトが欲しい」と電話で言えばどんなに入手困難なソフトでも町中を探し回ってプレゼントしてくれた。祖父母は私が初孫ということもあり、とても可愛がってくれたのだ。しかし、そんな祖父母も今は別の世界に行ってしまった。哀しい。

 

私が小学生だった或る日、友達が家にやってきた。母親は大皿にチョコやクッキー、飴などのお菓子を山盛り用意してくれた。私は一人っ子なのでいわゆる「食べ物競争」をした事がない。だから、お菓子を1つ取る、食べる、1つ取る、食べるを繰り返していた。しかし、兄弟がいる友達は違った。お菓子をポケットの中にガッサーと入れてしまったのだ。結局、私は自分の家なのに2つ、3つしかお菓子を食べれなかった。私を不憫に思った母親は私が家を出る瞬間、ポケットに少しお菓子を入れてくれたのだ。そんな母親の優しさが懐かしい。しかし、そんな母親も今は他の世界に行ってしまった。哀しい。

 

先日、息子の保育園で懇談会があった。保育園の先生は息子をこう分析していた。

 

  • 努力家
  • ベジタリアン
  • 誰とでも仲良くなれる
  • 運動神経が良い
  • 優しい

 

しかし「自分の意見を相手にしっかりと伝える強さが欲しい」と言われた。確かに息子は保育園で小さい組の子供にいたずらをされても軽くたしなめるだけだ。私はこんな弱い息子の姿を見ると「キチンと叱りなさい」と注意してしまう。でも、一人っ子の息子は「オレは小さい組の子には絶対怒らへん」と言う。私は息子が優しい人間に育つように今の名前を付けた。でも、結局私は優し過ぎる息子を叱っているのだ。

最近、自分の子供がかつての自分だった事に気がついた。恐らく私はかつての自分が出来なかった事を息子にさせようとしているのだ。親は乱暴で身勝手なものだ。自分が出来なかった事や自分の夢を子供にさせたがる。

母親は亡くなる前、私が優しい人間に育ったと大いに喜んでいた。しかし、かつての優しい私はどこにもいない。そして、息子が希望通りに優しく育っているのに何故か不満を感じている私がいる。親失格。さっき優しい息子の寝顔に語りかけてみた、お前はかつての俺なのかいと。じゃ。

 

byアホウドリ