私は人生の大半をかけて「手帳は高橋」と高橋書店からの使者の如く、それを周りの人間に勧めてきた。周りから見ると、その姿はまるで壊れたゼンマイ人形のようで滑稽だったであろう。今もなお高橋書店の手帳が優れていることは疑う余地のない事実であるが、私自身が30代後半に差し掛かり、ようやく「自分仕様の手帳」が欲しいとの考えに至った。この手帳というものはなかなか奥が深いもので、一長一短という言葉をそのまま現物に投影したかのようなものだと思う。
私の手帳選びは自分自身の使用要件を整理するところから始まった。生まれつき見栄っ張りな性格なのだろう、人よりも良く見られたいと思う気持ちが強かった。だから手帳にだって妙にこだわりたかったのだ。そんな私の使用要件は下記のとおりであった。
- ビジネスで使える
- オシャレ(に見える)
- シンプル(嵩張らない)
うん、めっちゃ普通。
そして、こんな我が儘な私の使用要件を満たすシステム手帳が「LUFT(以下カタカナで「ルフト」と書く)」だ。この手帳の最大の特徴は兎に角シンプルな構造となっていること。一枚の革カバーにリング、そしてそれを固定するバックプレートだけで構成されている。革カバーにはポケットなど便利野暮なものは一切付いていない。それでいて、チープな印象を微塵も与えず、寧ろ「侍」のような高貴な潔さすら感じさせる手帳だ。我々、企業戦士の大切なパートナーとなること間違いなしである。私は広い世界からルフトをロフトで見つけた。(洒落ではなく事実です)
ルフトの価格は6,500円(税抜き)なので、決して安くはないのだが、毎日時間を共にする相棒的存在なので、自分の納得のいく買い物をして欲しい。ちなみに「システム手帳あるある」を1つ挙げるとすれば、カスタマイズにこだわり過ぎて、本体以外(リフィルなど)にお金を使い過ぎてしまうことだ。私も例に漏れることなく、かなり予算をオーバしてしまったことはいうまでもない。でも、楽しー。
それでは前置きが長くなってしまったが、写真とともにルフトの魅力を紹介する。
LUFT(ルフト)
化粧箱
一年使い切りの手帳にはない高級そうな化粧箱に入っていた。人によっては「化粧箱なんかに金をかけるな」とこれを無駄に思うかもしれない。しかし、一見無駄に思えるような気配りも特別な感じがして嬉しいじゃないか。
開封
化粧箱もさることながら不織布に包まれた姿は、まるで高級バックのようだ。手に取ってみると、ほんのりと革独特の香りを醸し出していた。これから始まるシステム手帳生活のドキドキ感が止まらない。こういった演出も含めて高いお金を払う価値があるのだろう。ちなみに1年間の保証期間付きである。
手帳(正面)
初めて手に取って感じたことを素直に言葉にすると、薄くて軽い、だ。表面には余分な装飾は一切なく、素材で勝負をしている大人の手帳の風格を感じた。そして、色合いが素晴らしい。更にシュリンク型押しの手触りも良い感じだ。これを選んで大正解。
手帳(斜め)
このアングルから見ていただくとルフトの薄さとシンプルさを感じていただけるだろう。シンプルと質素の違いを感じるアングルだ。レザーは柔らかくて使い初めから手に馴染む。
手帳(背面)
ルフトのシンプルなデザインの中で一際輝きを放つのがこのバックプレートである。研ぎ澄まされた日本刀のように美しい。ルフトには3種類のレザーが用意されており、各レザーごとに違うバックプレートが装着されている。私の03モデルは「クロムブラック」、いぶし銀的な存在感を放つ憎い奴である。
手帳(見開き1)
手帳を開くとブランド名が見える。手帳の内側も抜かりなくシンプルにまとめられている。ちなみに、左側に見える青いプレートは別売りである。
手帳(見開き2)※リフィルは別売り
柔らかいレザーなので180度に開く。机の上に置いて記入する場合はとても描きやすい。
使用感
ルフトはドイツ語で「空・空気」を意味する言葉らしい。その名前に偽りはなく本当に薄くて軽い。リング径は11センチなので通常のバイブルサイズの手帳(15センチ)と比較するとかなり薄く感じるだろう。私の場合は半年分のスケジュールをルフトにセットしており、残りは別のバインダに保管している。なるべくルフトの薄い・軽い・美しいという魅力を消すことなく利用したいと思っているからだ。
今回はシステム手帳「ルフト」を紹介した。私はビジネスで使用しているがルフトには様々なカラーが用意されているので女性にもお勧めしたい。
また、ルフトを最大限自分仕様にカスタマイズするべく色々なリフィルを購入しているので、次はそちらをご紹介したい。じゃ。
byアホウドリ