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【雑記】小説の映像化に一石を投じる 〜文字だけでも良いじゃないか〜

こんにちは、サコです。皆さん、小説は読まれますか?私は「そこそこ」読みます。こんな私ですが、実は小説の映像化(*)には、少々否定的な意見を持っています。

 
*小説の映像化:小説を元に、映画やテレビドラマを作ること。
 
今回は「小説の映像化」のメリットや私が否定する理由などを整理してみました。それでは、行ってみましょう!

小説を映像化することのメリット

01 表現の幅が広がる

小説(文字の羅列)に比べて様々な表現が可能になります。CGや音響を使った表現がこれ当たり、特に動きの多い場面(アクションシーン)は、映像化することで、よりダイナミックに表現ができます。これだけでも映像化する価値はあるかも!
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02 作品を身近なものにする

ある意味、小説の映像化は作品に触れるハードルを下げることだと思います。事実、「ハリーポッター」や「ロード・オブ・ザ・リング」など、映画は観たけれど、小説は未読の方が多いのではないでしょうか。冒頭で「小説の映像化には否定的」と言いつつも、私も映画しか観ていない作品が沢山ありました。失敬。
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03 マーケティング

映像化はタダで出来る訳ではありませんので、マーケティングも忘れてはいけません。人気のある小説と俳優を起用することで、ある程度の集客効果が約束されます。逆に、こういった理由による配役は、小説と映像化された作品との間に乖離を生んでしまいます。これが1番の問題です。

 

と言うことで、思いつくままメリットを書いてみました。これに対して、私の映像化に対する否定的な理由は次の通りです!

 

映像化に否定的な理由

01 小説と映像化した作品とのギャップ

映像化することにより、製作者の感性や考え方を押し付けてしまう場合があります。例えば、小説の場合、登場人物の容姿や性格などは、読者が頭の中で感じたように創りあげることが出来ます。「鷹のように鋭い眼光」、「肩まで届く栗色の髪」、「薄い唇」、「こけた頬」、「浮浪者のような身なり」…こういった文章中に登場するキーワードから自分の想像力を膨らませて人物像を創るのです。
 
それに対して小説が映像化されてしまうと、自分の創り上げたものと映像化されたもののギャップに戸惑いを感じることが少なくありません。それが嫌なのです。(超主観その1!)
 

02 美しさが損なわれる

ごく稀に、美しい表現の文章を見ることがあります。そのときは「映像化することで、きっとこの美しさは失われてしまうのだろうな」と思います。
 
私は「森博嗣」さんの「ヴォイド・シェイパ」シリーズ(実は時代劇です!)が大好きです。このシリーズには魅力的な表現がたくさん使われています。こういった作品は特に映像化が難しいと思います。
ヴォイド・シェイパ - The Void Shaper (中公文庫)

ヴォイド・シェイパ - The Void Shaper (中公文庫)

 

 

03 ペースをあわせる必要がある

文章を読む速度は人それぞれ違います。また、同様に映像を見て、理解する速度も人それぞれ違います。小説を読んでいる場合は、そのページで「立ち止まる事ができます」が、映像(特に映画)の場合は、そのシーンで「立ち止まる事ができません」。謎解きミステリーの場合、頭を整理したい時って結構ありますので、自分のペースで話を進めたいですよね。
 
どうでしょう、大まかではありますが幾つか列挙してみました。
 

映像化してほしくなかった作品

容疑者Xの献身(ガリレオシリーズ)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

 

 

福山雅治さん主演で大ヒットした映画です。
 
この小説を知り合いに勧めたら「それならテレビで見たよ」って言われました。
 
違うのです!
 
この作品は、小説で読んでほしいのです。
 
確かに福山雅治さんはかっこいいし、主演男優としてのオーラがあります。
 
しかし、主人公である「湯川学」の人物像とは違う気がします。本来、「湯川学」は福山雅治さんのように、爽やかな人物ではありません。東野圭吾氏は、「佐野史郎さんをモチーフとして作った」と言っています。
 
私の頭の中で創り上げた「湯川学」の人物像は、漫画「多重人格探偵サイコ」の登場人物である雨宮一彦です。この近寄り難い雰囲気がぴったしです。(超主観その2)

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このように小説では、著者から与えられたキーワードを使って、読者が勝手に人物像を作り上げることができるのです。これが小説の醍醐味ではないでしょうか。
 
あ、別に私が福山雅治さんを嫌いとかではありませんので、悪しからず。
 

まとめ

今回の記事を書きながら、ふと気づいたことは「映像化も十分メリットがあるよね」と言うことです。当初、映像化を否定する気満々で書き始めましたが、結局は「作品次第」ということになりました。苦笑。
 
「私の好きな小説は映像しないでくれ!」という超自己チューな叫びでした。
 
おしまい。(オチがしょぼくてすいません!)