私の母親が幼稚園の先生をしていたこともあり、うちには沢山の絵本があります。今回はその中から「だるまちゃんとてんぐちゃん」をご紹介します。この絵本は1967年に発売され、約50年間子供に愛されてきた絵本です。
はじめに(あらすじ)
ある日、「だるまちゃん」は友だちの「てんぐちゃん」が持っているうちわや帽子など少し変わった持ち物が羨ましくなります。
お父さん(だるまどん)の持ってきてくれるものには納得がいかず、結局、自分で工夫しながら手に入れていくだるまちゃん。
最後には、てんぐちゃんの長い鼻が欲しくなってしまいますが…
絵本について
最近の子供にはあまり馴染のないキャラクタである「だるま」や「てんぐ」が登場しますが、イラストが可愛いので楽しく読み進めることができます。
だるまちゃん、てんぐちゃん、それぞれ見た目は全く違います。だるまちゃんはてんぐちゃんが持っている物に興味津々、しかしだるまちゃんの家にはてんぐちゃんと同じものはありません。
お父さんが用意してくれるものは少し違い、納得のいかないだるまちゃん。そこで、自分の頭でてんぐちゃんが持っている「少し変わったもの」を表現していくのです。
そして、てんぐちゃんはだるまちゃんが工夫して表現したものを決して否定せず、褒めてあげるのです。
こういったやり取りは、何もこの絵本の世界の中だけではなく、現実世界にも往々としてあります。
だるまちゃんのように自分で工夫して表現する力、そして、てんぐちゃんのように友達を素直に褒めてあげる包容力、そういった人間らしい行動を子供に分かりやすく伝えているのが本書なのです。
私の息子も好きな絵本ですが、これは読み手である親も考えさせられる絵本となっています。子供が「〜が持っている〜が欲しい!」と言ってきた時、「他所の家は他所の家!」と言って頭ごなしに叱りつけていませんか?そう言った覚えのある方は本書を手に取ってご覧ください。
絵本の紹介
だるまちゃんとてんぐちゃん
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では、この辺で。お読み頂きありがとうございました。