今日は蓄膿症(慢性副鼻腔炎)手術後の経過観察のため、病院へ行ってきました。取り敢えず、経過は良好という事で一安心。
診察後、薬局で「おくすり手帳はありますか?」と聞かれました。
皆さん、おくすり手帳はお持ちですか?
私は持っていますよ。数年前に発行してもらい、それ以降、鞄の中に放り込んでありますので、基本的には常に持ち歩いています。
今回は、平成28年度に改定された「おくすり手帳」の取り扱いについて、分かりやすく纏めてみました。
おくすり手帳について(基本)
おくすり手帳って何?
処方された薬の名前や数量、日数、そして使い方などを記録できる手帳です。その他にもアレルギーの有無や過去の病歴などを記入できるようになっています。
前述で「記録できる」と書きましたが、基本的には薬を処方してもらうときに、薬局の窓口に提出することで、処方された薬の情報が書かれたシールをペタッと貼って貰えますので、自分で記録する必要はありません。
何処でどうやって発行してもらえるの?
薬局の窓口で無料で発行してもらえます。
ただ、無料だからといって何冊も発行するのはやめて下さい。
薬は基本的に一元管理する必要があるものです。複数の手帳を発行して、風邪の薬はこの手帳、持病の薬はこの手帳といった使い分けをしてしまうと、管理そのものが不完全になってしまいますので、基本的には「1人1おくすり手帳」を推奨しています。
使うメリットは何?
おくすり手帳を携帯することのメリットは以下のようなものがあります。
- 薬剤師の方が、飲み合わせや薬の重複をチェックし、副作用などのリスクを軽減してくれます。
- 薬剤師の方に、副作用歴やアレルギー、過去にかかった病気などの情報を伝えることができます。
- 旅行や災害、急に具合が悪くなった時などに自分の薬の情報を正確に伝えることができます。東日本大震災のときは、おくすり手帳を持っていない方が多くて、正確に服用している薬を説明できる人が少なかったそうです。
以上のように、おくすり手帳は「基本的には常に持ち歩くもの」と考えて下さい。
平成28年度から何が変わったのか?
平成27年度まで
まず、我々が薬を調剤してもらうときには、薬そのものの料金の他に、調剤技術料や薬学管理料といった薬局への報酬が必要となります。
これまで、おくすり手帳に処方した情報を書き込む(シールを張り付ける)ことで、薬局が得られる報酬(薬剤服用管理指導料)は、27年度までは410円でした。
これは、70歳未満の人(3割負担)は130円を自己負担する事になります。
薬局がこの報酬を得るためには、調剤した日や薬の名称、用法、数量、使用時に注意することなどを手帳に記載することが条件でした。
また、それ以外にも「患者が飲み残した薬の数の確認」「医師が処方した薬にジェネリックがあるかどうかの情報提供」をする必要もあり、3つが揃ってはじめて410円を算定できました。
しかし、実際はこういった条件を満たさず、おくすり手帳を持っていない患者に対しても、シールを発行し手渡すだけで、410円を算定していた、いい加減な薬局が少なからずあったそうです。(患者の薬の管理もせずに報酬を受けていたことになります)
平成28年度から
平成28年度より、おくすり手帳がない人の薬局へ支払う報酬(薬剤服用履歴管理指導料)を410円から500円に引き上げ、おくすり手帳がある人の薬局へ支払う報酬(薬剤服用履歴管理指導料)を380円に引き下げました。
これにより、おくすり手帳がある人で70歳未満の人(3割負担)の自己負担額は、おくすり手帳がない場合に比べて約40円安くなるという事です。
今回の取り扱い改定で、おくすり手帳の本来の目的(国の考え)に一歩近づきましたね。
まとめ
平成28年度よりおくすり手帳を薬局に持参して調剤してもらうことで、薬代が少しだけ減額されます。
しかし、この減額が適用されるのは「手帳持参で減額が適用されるのは、6か月以内に同じ薬局で調剤を受けた場合のみ」です。
久しぶりに薬局を訪れた際には、手帳持参の有無に関わらず支払額は変わりません。
この部分については、せめて「どこの薬局でも調剤を受けた場合は減額が適用される」ようにしてほしいですね。
皆さん、万が一の場合に備えて「おくすり手帳」は携帯するようにしましょう!
という事で、簡単ではありますが「おくすり手帳」取り扱いの基本についてご紹介しました。
最後に
長期間、同じ薬を処方されている方へ、
花粉症などは、同じ薬を何日分も処方されますよね。そして、処方された薬を飲み忘れたまま、通院するとまた同じ薬を処方されることもあります。
こういった場合は、飲み忘れた薬を薬局に持っていくことで、新しく処方する薬の量を調節してくれます。(無駄がなくなります)
私も最近になって薬局がそういったサービスをしてくれることを知りました。便利なサービスですので、積極的に利用していきましょう。では。