グリーンボールの強烈な洗礼を受けた3ヶ月後、息子は初めて公式戦に出場した。(8歳11ヶ月)
前回のグリーンボール大会(すくすくのっぽくん)の記事はこちら。
この大会のことは今でも良く覚えている。初めての公式戦、初めてのハードコート、初めてのシード選手との対戦、兎に角、何もできなかった。
今思えば、息子のテニス人生に大きな影響を与えた試合の1つだったように思う。
当時は嫌な記憶として刻まれたが、それから1年後の今となってはジュニアテニスの厳しさを私と息子に教えてくれた試合だったと感じる。
この大会は、私の地域では最も大きく、多くのジュニアが参加する大会だ。とても大きい大会なので予選と本選は数日間に分けて行われる。
予選ブロックにもシード選手がいるので、ノーシードの選手はほぼ必ずシード選手を倒さなければ予選を勝ち抜くことはできない。
息子の相手選手も予選ブロックのシード選手だった。
前の試合が終わり、息子と相手選手がコートに入ろうとしている姿を見ると…
デケェ!(心の声)
相手選手は息子より20センチ、いや30センチぐらいは大きく見えた。シードの風格。
目を丸くしている私をよそ目に、サーブ練習が始まった。相手選手は明らかに試合慣れしている所作。嫌な予感がした。
試合
相手選手のスピンサーブ、これが兎に角厄介だった。ジュニアの選手で(本当の)スピンサーブが打てる子は多くない。ハードコートと相まって、ボールの跳ね方が尋常ではない。離れた場所から観戦していた我々でさえ、サーブがすごいことは分かった。高い打点から放たれる強烈なスピンサーブが容赦なくコートに突き刺さる。
当時、シングルバックハンドに転向後、1年弱ということもあり、バックハンドもまったく安定しておらず、高いボールが取れない。(この点に関しては未だに安定とは程遠いが…)
果たして何球返球できたろうか。
しっかりと回転のかかったボールはそっとやちょっとではまともに返らない。
そして、息子のサーブもまったく入らない。
会場の雰囲気に飲まれ、焦りで何もできなかった。
結果は0-6。まともな試合にならなかった。
帰り道
ぼーっと、車の窓から流れる景色を眺めている息子を見ると、かける言葉も出なかった。悔しさすら生まれない実力の差を見せつけられて、憔悴しきっているように見えた。
しかし、どうやら私は大きな勘違いをしていたようだ。
息子の闘志は燃え尽きていなかったのだ。
それはまた別の記事で。
by アホウドリ