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【映画】「ズートピア」は人間社会の闇を明るく照らす作品だった 〜感想〜

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ディズニー映画最新作「ズートピア」を鑑賞。最近のディズニー映画にハズレなし、まさにその言葉を証明したような完成度であった。

私は「アナと雪の女王」のように、頼んでもいないのに夢の世界に連れていってくれるファンタジー要素の強い作品には、一歩距離を置いてしまう体質である。

しかし、このズートピアはハイテク文明で暮らす動物を主役としているが、人間社会を投影したかのような生々しい世界観とそこで繰り広げられる人間臭さい争いには妙なリアリティがあり、しっかりと映画の世界に入り込むことができた。

この作品は、サンタクロースの存在を信じている純真な子供から、体が油で構成されているオヤジまで楽しめる映画である。

 

感想

日本語の吹き替えについて

以前、当ブログにて「ズートピア」への期待を記していたので、そちらも併せてお読み頂きたい。

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以前の記事は、アニメの命とも言える「日本語の吹き替え」にプロ声優以外(特にタレント)を起用することに不安がある、といった内容である。

 

今回、主人公ジュディの吹き替えを担当したのは女優・上戸彩。彼女はプロの声優ではないが、今作品では与えられた台詞を一つ一つ丁寧に吹き替えているようで、とても聴きやすく好印象を受けた。

主人公のジュディはディズニー映画の中ではそれほど個性が強くないキャラクタなので、最終的には上戸彩の個性が勝ってしまう結果になったが、これは上戸彩を非難しているのではなく、女優としての存在感を遺憾なく発揮した結果である。

 

その他にも特筆すべきは、クロウハウザー役のサバンナ・高橋である。本当に巧い。お笑い芸人を辞めて、声優になるべきだ。相方(サバンナ・八木)には悪いが、これ程の才能をたまにしか使わないのは勿体無い。

 

そして、唯一気になったのはガゼル役のAmi(Dream)だ。彼女はズートピアのテーマソングも担当しており未来への希望を感じさせる躍動感のある歌唱は素晴らしかったが、本編の極短い台詞の部分が非常に残念だった。

 

当然であるが、ニック役の森川智之を始め、いわゆるプロの声優陣は完璧な吹き替えであった。総じて、声優陣全体に関してはアニメ好きが観ても満足が行くはずだ。

 

ズートピアの世界感

インターネットでズートピアのレビュを読んでいると「大人向け」と言うキーワードが出てくる。それは、この映画が特にメッセージ性の高い作品だからだと思う。冒頭でも少しご紹介した通りズートピアは「人間社会を投影したかのような世界観」で成り立っている。そこには「動物の楽園」には程遠い、人間でいうところの「人種差別」の問題が根底として存在しているのである。

 

ズートピアも表向きは差別なんて存在しない理想郷のような場所として描かれているが、実は「草食動物」と「肉食動物」という過去の関係に未だに捉われているものも存在しており、それが様々な形で差別を生んでいる。これはまさに、人間社会と同じではないだろうか。

 

こういったところが「大人向け」と評される由縁のようだが、私は少し違うと思う。大人向けと書いてしまうと「大人が観る映画」のように感じるのだが、実際は子供にも観て欲しい。この差別問題は大人社会だけが持つ特殊性の高いものではなく、子供の社会にも少なからず存在している。

 

ズートピアを観ることで、自分が差別として認識していなかった行動が実はそれに近いものであった事に気づくことが出来るかもしれない。

 

また、「差別問題」と書くと何やら重大な気がするが、こうしたユーモア満載のアニメーションに盛り込むことで、大人へのステップを小さくし登りやすくしているのではないか。

 

最後に

さぁ、もうすぐゴールデンウィークである。既に、予定を立てている人も多いと思うが、このズートピアも予定の1つに入れてみてはどうだろうか。普段、子供と映画館に行ってはぐっすりと寝てしまうお父さん、お母さん、この映画はきっと飽きずに最後まで観れると思いますよ。

 

お読み頂きありがとうございました。

 

byサコ